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メタボもロコモもHi! タックル!
レスリング元世界チャンピオン、Ms. 日本元ファイナリストがご推奨する
レッスサイズ!!第12 回 補助エクササイズ(ストレングス系③)
文=坂本涼子

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[ 月刊ボディビルディング 2013年7月号 ]
掲載日:2017.08.04

バランスボールを用いた上肢のエクササイズ、体幹部、肩周辺の安定性の向上、上肢の筋群の向上

 今回は自重やダンベルとバランスボールを用いた複合的なエクササイズです。ご紹介するエクササイズだけでなく、ダンベルやチューブ、ケーブルマシンなどとバランスボールを組み合わせることで、エクササイズのバリエーションを広げることが可能です。そして、これらのエクササイズは、通常の筋力トレーニングよりも多くの筋を使うことになり、コーディネーション能力を高めることができます。

 全てのエクササイズは、10~20回(あるいは10~20秒)。2~3セット行います。

※コーディネーション能力とは、「運動をする際に、うまくいくように運動をまとめあげ調節する、運動能力の一つである」と定義されています。

①バランスボール・シェイク

 両手を肩幅程に開き、バランスボールの上に乗せて(指は床の方向に向け)、プッシュアップのポジションになります。このとき腰が反らないように体幹部をしっかりと固定したまま(ドローインを意識し)、バランスボールを前後、左右に小さく素早く動かします。

 エクササイズに慣れるまでは、ボールを左右に動かさずに固定したままでも、体幹部と肩周辺の安定性の良いトレーングになります。10~ 20 秒、2~3セット。
記事画像1

②バランスボール・プッシュアップ

 ①と同様にプッシュアップのポジションになります。エクササイズ中は、体幹部を固定し、身体を一直線に保ちます。

 ボールをコントロールしながら、肘を曲げて、胸がボールに軽く触れるまで身体を下ろします。胸にボールが触れたゆっくりと元の位置まで押し上げます。
記事画像2

③バランスボール・ディクライン・プッシュアップ

 バランスボールの上に両足(脛、もしくは膝)を乗せ、両手を肩幅よりやや広めに開いて、プッシュアップのポジションになります。体幹部を固定(ドローインを意識)し、身体を一直線に保ったままプッシュ・アップを繰り返します。

 難易度を上げる場合は、バランスボールにつま先を乗せて行います。
記事画像3

④ダンベルプレス・ウィズ・バランスボール

 バランスボール上に両肩と頭を乗せて仰向けに寝ます。このとき、両足は肩幅程度に広げ、膝を90度に曲げます。上半身と体幹が床面に対して平行になるように、臀部を引き上げたまま、ダンベルプレスを行います。

 通常のダンベルプレスと比べて、可動域が広くなるだけでなく、よりスタビリティ(安定性)が要求されるエクササイズとなります。バランスボールが左右に揺れないようにコントロールしながら行いましょう。
記事画像4

⑤オルタネイト・ダンベルプレス・ウィズ・バランスボール

 ④と同じ要領で左右交互にダンベルをプレスします。さらにスタビリティ(安定性)が要求されるエクササイズとなります。
記事画像5

⑥ダンベルフライ・ウィズ・バランスボール

 ④と同じ要領でダンベルフライを行います。
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⑦ショルダープレス・ウィズ・バランスボール

 両足は肩幅程度に開き、膝を90度に曲げてバランスボールの上に座ります。体幹部を固定(ドローインを意識)し、上半身はまっすぐに保ったまま、ショルダープレスを行います。
記事画像7

⑧ワンハンドロウ・ウィズ・バランスボール

 両足を肩幅程度に開き、片手をバランスボールの上に置いて、身体を前傾させます。ボールをコントロールし、背中は真っ直ぐに保ったまま、ワンハンドロウを行います。
記事画像8

⑨シングルレッグ・ワンハンドロウ・ウィズ・バランスボール

 ⑧と同じ要領ですが、片手をバランスボールの上に置き、同側の膝を伸ばしたまま上げます。支持脚側の手でダンベルを持ち、背中から脚が一直線になるように保持し、ダンベルロウを行います。 片足立ちで行いますので、さらにスタビリティ(安定性)が要求されるエクササイズとなります。
記事画像9
◎著者紹介
坂本涼子(さかもと りょうこ)
1970年4月24日、福岡県北九州市で生まれる。16歳のとき吹田市民教室でレスリングを始め、1987年、第1回全日本選手権で優勝、1991年まで連覇を続け、通算8度の優勝を果たした。世界選手権では1992年に57kg級で優勝をした。最近ではボディビル大会にも出場している(2008年全日本ボディビル選手権8位、など)。
1997年に中京女子大学大学院健康科学研究科修了(健康科学修士)。同大学健康科学部助手を経て、2002年講師(2007年より「助教」に呼称変更)、2010年9月に依願退職した。在職中は同大学レスリング部コーチ、部長、JOC日本オリンピック委員会強化スタッフ
などを務めた。この間、アテネオリンピックに吉田沙保織、伊調馨・千春の3選手が出場した。
今後は、これまでの競技歴や筋力トレーニングの経験を生かして、女子レスリング選手の指導、さらには一般人へのレスリング体操『レッスサイズ(Wrestle-cise)』の普及に力を注ぐ。
[ 月刊ボディビルディング 2013年7月号 ]

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