GABAの効果
掲載日:2019.06.27
GABAは「γアミノ酪酸」のことで、γ炭素にアミノ基がくっついています。
これは主要な抑制性の神経伝達物質であり、集中力の増加や脳の興奮を抑えてくれます。
「集中」とは余計なことを考えないということでもあり、GABAは余計なものへの意識の分散を防いでくれることになるわけです。
またある種の睡眠薬はGABAの作用を強めることによって、睡眠を深くしてくれます。
ただしGABAは血液脳関門(BBB:blood-brainbarrier)を通過することができません。
血液脳関門とは血液と脳脊髄液との間の物質交換を制御するバリアのことで、例えば脂肪酸はBBBを通れませんが、ケトン体は通れるようになっています。
つまりGABAを口から飲んだとしても、脳の中に入り込むことができないということです。
そのため、GABAの効果を得るためには脳の中でGABAが自然に作られるようにしてやらなければなりません。
そこで重要なのがビタミンB6です。GABAはグルタミン酸から作られますが、このときにビタミンB6を必要とするのです。
しかしGABAを摂取したら実際に集中力が増したとか、睡眠が深くなったとかいう経験談もあります。
GABAは脳に入らないはずなのに、なぜそうなるのでしょうか。
就寝30分前にGABAを100mg摂取することにより、入眠までの時間が半分に短くなり、深い睡眠であるノンレム睡眠に至るまでの時間が短くなったという結果が出ています。
またノンレム睡眠自体も長くなり、起床時の目覚めも良かったと報告されています。(※167)
まずGABAは脳には入らなくても、抹消で作用することによりリラックス作用を産みだすということが考えられます。
GABAは抹消神経においてGABAB受容体を活性化して交感神経系の伝達を抑制し、ノルアドレナリンの放出を抑制することによって血圧を下げます。(※168,※169)
またGABAが体内でGHBという血液脳関門を通り抜けられる物質に変化しているということも考えられます。(※170)
GABAがGHBとなって脳に入り、GHBが脳内でGABAに戻っているのかもしれません。なお腸にセロトニンが多く存在することは知られていますが、実はGABA受容体も腸に存在します。
乳酸菌を摂取すると腸のGABA受容体が刺激を受け、それが脳内のGABA受容体の受容体発現を増加させたという報告があります。(※171)
これはつまり腸のGABA受容体が脳内のGABAにシグナルを送っているということになるのかもしれません。
これは主要な抑制性の神経伝達物質であり、集中力の増加や脳の興奮を抑えてくれます。
「集中」とは余計なことを考えないということでもあり、GABAは余計なものへの意識の分散を防いでくれることになるわけです。
またある種の睡眠薬はGABAの作用を強めることによって、睡眠を深くしてくれます。
ただしGABAは血液脳関門(BBB:blood-brainbarrier)を通過することができません。
血液脳関門とは血液と脳脊髄液との間の物質交換を制御するバリアのことで、例えば脂肪酸はBBBを通れませんが、ケトン体は通れるようになっています。
つまりGABAを口から飲んだとしても、脳の中に入り込むことができないということです。
そのため、GABAの効果を得るためには脳の中でGABAが自然に作られるようにしてやらなければなりません。
そこで重要なのがビタミンB6です。GABAはグルタミン酸から作られますが、このときにビタミンB6を必要とするのです。
しかしGABAを摂取したら実際に集中力が増したとか、睡眠が深くなったとかいう経験談もあります。
GABAは脳に入らないはずなのに、なぜそうなるのでしょうか。
就寝30分前にGABAを100mg摂取することにより、入眠までの時間が半分に短くなり、深い睡眠であるノンレム睡眠に至るまでの時間が短くなったという結果が出ています。
またノンレム睡眠自体も長くなり、起床時の目覚めも良かったと報告されています。(※167)
まずGABAは脳には入らなくても、抹消で作用することによりリラックス作用を産みだすということが考えられます。
GABAは抹消神経においてGABAB受容体を活性化して交感神経系の伝達を抑制し、ノルアドレナリンの放出を抑制することによって血圧を下げます。(※168,※169)
またGABAが体内でGHBという血液脳関門を通り抜けられる物質に変化しているということも考えられます。(※170)
GABAがGHBとなって脳に入り、GHBが脳内でGABAに戻っているのかもしれません。なお腸にセロトニンが多く存在することは知られていますが、実はGABA受容体も腸に存在します。
乳酸菌を摂取すると腸のGABA受容体が刺激を受け、それが脳内のGABA受容体の受容体発現を増加させたという報告があります。(※171)
これはつまり腸のGABA受容体が脳内のGABAにシグナルを送っているということになるのかもしれません。
※167: Effect of oral γ-aminobutyric acid (GABA) administration on sleep and its absorption in humans. Food Science and Biotechnology 25. 2 (2016): 547-551.
※168: Involvement of gamma-aminobutyric acid (GABA) B receptors in the hypotensive effect of systemically administered GABA in spontaneously hypertensive rats. Jpn J Pharmacol. 2002 Aug; 89( 4): 388-94.
※169: Mechanism underlying gamma-aminobutyric acid-induced antihypertensive effect in spontaneously hypertensive rats. Eur J Pharmacol. 2002 Mar 1; 438( 1-2): 107-13.
※170: Minireview: gamma hydroxybutyrate. Life Sciences. 1977; 20: 1935? 1944.
※171: Ingestion of Lactobacillus strain regulates emotional behavior and central GABA receptor expression in a mouse via the vagus nerve. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Sep 20; 108( 38): 16050-5. doi: 10. 1073/ pnas. 1102999108. Epub 2011 Aug 29.
※168: Involvement of gamma-aminobutyric acid (GABA) B receptors in the hypotensive effect of systemically administered GABA in spontaneously hypertensive rats. Jpn J Pharmacol. 2002 Aug; 89( 4): 388-94.
※169: Mechanism underlying gamma-aminobutyric acid-induced antihypertensive effect in spontaneously hypertensive rats. Eur J Pharmacol. 2002 Mar 1; 438( 1-2): 107-13.
※170: Minireview: gamma hydroxybutyrate. Life Sciences. 1977; 20: 1935? 1944.
※171: Ingestion of Lactobacillus strain regulates emotional behavior and central GABA receptor expression in a mouse via the vagus nerve. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Sep 20; 108( 38): 16050-5. doi: 10. 1073/ pnas. 1102999108. Epub 2011 Aug 29.
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