グルタミンの効果
掲載日:2019.03.07

グルタミンの効果についても箇条書きで記していきましょう。
1.筋肉の分解を防ぐ
トレーニングをハードに行って疲労すると、身体はそれをストレスだと感じ、ストレスに対抗するエネルギーを作りだそうとします。
このとき、筋肉からグルタミンが取り出されて、エネルギーの材料にしようとします。これは筋肉が分解されるということです。
トレーニングをして筋肉を増やそうとしているのに、筋肉が分解されてしまっては元も子もありません。そこで、グルタミンを外部からサプリメントで摂取するのです。外部からグルタミンを摂取することによって、筋肉の分解を防ぐことができます。(※138,※139,※140,※141)
このように筋肉が分解されるカタボリック防止がグルタミンの主な効果だと思われていますが、もしかするとグルタミンにはアナボリック作用もあるかもしれません。
必須アミノ酸の存在下において、十分な量のグルタミンが存在することが、mTORの活性化を促すことがわかっています。(※142)
この研究においては、糖尿病のラットの場合、mTORシグナル伝達系におけるAktのリン酸化が著しく損なわれるのですが、それをグルタミンのサプリメンテーションによって防ぐことができたという結果が出ています。
また糖尿病ではない普通のラットの場合でも、AktのmRNA翻訳レベルがグルタミンの摂取によって2倍になったとされています。
また筋タンパク分解系におけるユビキチンリガーゼであるMuRF-1やatrogin-1/MAFbxの発現を抑制することにより、ユビキチン連関タンパクの量をmRNAに関係なく、50%減らしたという結果も出ています。
このとき、筋肉からグルタミンが取り出されて、エネルギーの材料にしようとします。これは筋肉が分解されるということです。
トレーニングをして筋肉を増やそうとしているのに、筋肉が分解されてしまっては元も子もありません。そこで、グルタミンを外部からサプリメントで摂取するのです。外部からグルタミンを摂取することによって、筋肉の分解を防ぐことができます。(※138,※139,※140,※141)
このように筋肉が分解されるカタボリック防止がグルタミンの主な効果だと思われていますが、もしかするとグルタミンにはアナボリック作用もあるかもしれません。
必須アミノ酸の存在下において、十分な量のグルタミンが存在することが、mTORの活性化を促すことがわかっています。(※142)
この研究においては、糖尿病のラットの場合、mTORシグナル伝達系におけるAktのリン酸化が著しく損なわれるのですが、それをグルタミンのサプリメンテーションによって防ぐことができたという結果が出ています。
また糖尿病ではない普通のラットの場合でも、AktのmRNA翻訳レベルがグルタミンの摂取によって2倍になったとされています。
また筋タンパク分解系におけるユビキチンリガーゼであるMuRF-1やatrogin-1/MAFbxの発現を抑制することにより、ユビキチン連関タンパクの量をmRNAに関係なく、50%減らしたという結果も出ています。
2.筋肉の回復を促進する
16名の健康な男女にレッグエクステンションを行わせた研究があります。
その結果、グルタミン摂取群のほうがトレーニング直後とトレーニング72時間後におけるピークトルクが高く、筋肉痛も減少していました。特に男性の効果が高かったことが認められています。(※143)
BCAAと同じように、グルタミンにはタンパク合成を高める作用があると思われ(※144)、この効果はインスリンが存在しない場合でも発揮されます。また筋グリコーゲンを増加させるという報告もあります。(※145)
他のアミノ酸を与えた群と比べ、グルタミンを与えた群はエクササイズ2時間後の筋グリコーゲン量が顕著に高かったという結果になっています。
他にも、グルタミンには成長ホルモンの分泌を高める効果や(※146)、炎症を減らして酸素消費量を増加させ、さらにインスリンの脂肪細胞への感受性を低下させるような効果(※147)も期待できます。
その結果、グルタミン摂取群のほうがトレーニング直後とトレーニング72時間後におけるピークトルクが高く、筋肉痛も減少していました。特に男性の効果が高かったことが認められています。(※143)
BCAAと同じように、グルタミンにはタンパク合成を高める作用があると思われ(※144)、この効果はインスリンが存在しない場合でも発揮されます。また筋グリコーゲンを増加させるという報告もあります。(※145)
他のアミノ酸を与えた群と比べ、グルタミンを与えた群はエクササイズ2時間後の筋グリコーゲン量が顕著に高かったという結果になっています。
他にも、グルタミンには成長ホルモンの分泌を高める効果や(※146)、炎症を減らして酸素消費量を増加させ、さらにインスリンの脂肪細胞への感受性を低下させるような効果(※147)も期待できます。

3.免疫を高める
筆者がグルタミンを初めて使用したのは確か1996年頃ですが、真っ先に体感した効果が「風邪を引かなくなった」というものです。周囲のトレーニーも同じような感想を持つ人が多く、「このサプリメントは効くのだなぁ」とクレアチン以上に感嘆したのを記憶しています。
好中球やマクロファージ、リンパ球などの免疫細胞は、「グルタミン」をエネルギーとして使っています。さらにグルタミンの濃度が高いほど、リンパ球の増殖も起こりやすくなります。
このような場合、グルタミンを摂取することで免疫レベルが高まり、風邪を引きにくくなったり、ケガからの回復を早めたりすることが可能となるのです。(※148,※149,※150,※151)
また、ハードにトレーニングを行うアスリートに一日10gのグルタミンを飲ませたところ、NK細胞の活性が上昇し、免疫グロブリン産生も高まっていたという報告もあります。(※152)
健康な食事をしていても、最善のグルタミンレベルを維持することはできず、免疫低下を招くことはあるため(※153)、グルタミンのサプリメンテーションはトレーニー以外にも勧めておきたいところです。
なおグルタミンはもともと胃潰瘍の薬として使われており、なんと半世紀以上前、1964年に出版された「胃潰瘍に対するL-グルタミンの使用経験」という論文もあるくらいです。これまでは胃の粘膜を保護する作用が知られていましたが、最近ではピロリ菌によって起こる胃粘膜の損傷を防ぐことも分かってきました。(※154,※155)
好中球やマクロファージ、リンパ球などの免疫細胞は、「グルタミン」をエネルギーとして使っています。さらにグルタミンの濃度が高いほど、リンパ球の増殖も起こりやすくなります。
このような場合、グルタミンを摂取することで免疫レベルが高まり、風邪を引きにくくなったり、ケガからの回復を早めたりすることが可能となるのです。(※148,※149,※150,※151)
また、ハードにトレーニングを行うアスリートに一日10gのグルタミンを飲ませたところ、NK細胞の活性が上昇し、免疫グロブリン産生も高まっていたという報告もあります。(※152)
健康な食事をしていても、最善のグルタミンレベルを維持することはできず、免疫低下を招くことはあるため(※153)、グルタミンのサプリメンテーションはトレーニー以外にも勧めておきたいところです。
なおグルタミンはもともと胃潰瘍の薬として使われており、なんと半世紀以上前、1964年に出版された「胃潰瘍に対するL-グルタミンの使用経験」という論文もあるくらいです。これまでは胃の粘膜を保護する作用が知られていましたが、最近ではピロリ菌によって起こる胃粘膜の損傷を防ぐことも分かってきました。(※154,※155)
138:Effect of glutamine on leucine metabolism in humans.American Journal of Physiology.271(4):748-54.
139:Glutamine alimentation in catabolic state.Journal of Nutrition.Vol.131Issue95:2569-78.
140:Glutamine prevents downregulation of myosin heavy chain synthesis and uscle atrophy.American Journal of Physiology.Vol.268(4):730-34.
141:Alanyl-glutamine revents uscle trophy nd lutamine ynthetase induction by glucocoticoids.American Journal of Physiology.Vol.271(5):1165-1172.
142:Glutamine supplementation stimulates protein-synthetic and inhibits protein-degradative signaling pathways in skeletal muscle of diabetic rats. PLoS One. 2012;7(12):e50390. doi: 10.1371/journal.pone.0050390. Epub 2012 Dec 11.
143 : The Influence of Oral L-Glutamine Supplementation on Muscle Strength Recovery and Soreness Following Unilateral Knee Extension Eccentric Exercise. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2015 Oct;25(5):417-26. doi: 10.1123/ijsnem.2014-0209. Epub 2015 Mar 26.
144 : A positive relationship between protein synthetic rate and intracellular glutamine concentration in perfused rat skeletal muscle. FEBS Lett. 1987 May 4;215(1):187-91
145 : Stimulatory effect of glutamine on glycogen accumulation in human skeletal muscle. Am J Physiol. 1995 Aug;269(2 Pt 1):E309-15.
146: Increased plasma bicarbonate and growth hormone after an oral glutamine load. Am J Clin Nutr. 1995 May;61(5):1058-61.
147 : L-glutamine supplementation induces insulin resistance in adipose tissue and improves insulin signalling in liver and muscle of rats with diet-induced obesity. Diabetologia. 2007 Sep;50(9):1949-59. Epub 2007 Jun 29.
148 : Why is L-glutamine metabolism important to cells of the immune system in health, postinjury, surgery or infection? J Nutr. 2001 Sep;131(9 Suppl):25155-22S; discussion 2523S-45
149 : Clinical applications of L-glutamine: past, present, and future. Nutr Clin Pract. 2003 Oct;18(5):377-85.
150 : Glutamine supplementation prevents exercise-induced neutrophil apoptosis and reduces p38 MAPK and JNK phosphorylation and p53 and caspase 3 expression.
151 : Glutamine, exercise and immune function. Links and possible mechanisms. Sports Med. 1998 Sep;26(3):177-91.
152 : Glutamine supplementation and immune function during heavy load training. Int J Clin Pharmacol Ther. 2015 May;53(5):372-6. doi: 10.5414/CP202227.
153:Low plasma glutamine in combination with high glitamine levels indicate risk for loss of body cell mass in healthy individuals:the effect of N-acetyl-cisteine. J Mol Med(Beri).1996 Jul;74(7):393-400.
154 : Inflammation and foveolar hyperplasia are reduced by supplemental dietary glutamine during Helicobacter pylori infection in mice. J Nutr. 2009 May;139(5):912-8. doi: 10.3945/jn.108.097790. Epub 2009 Mar 4.
155: Oral glutathione supplementation drastically Helicobacter-induced gastric pathologies. Sci Rep. 2016 Feb 2;6:20169. doi: 10.1038/srep20169.
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