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パワーフォームを導入した「ベンチプレスを強くするためのトレーニング」(3/4)

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掲載日:2016.02.17
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■パターン2のトレーニング方法
パターン2は、基本的なトレーニング方法であるトレーニングC(筋力・筋量アップ=地力アップ)と、筋力アップ・神経系強化を目的としたトレーニングDを、日ごとに分けて行うパターンになります。

トレーニングを行う頻度は週に2回から3回で、例えば月曜日と木曜日の週に2回トレーニングを行う場合であれば、月曜日=トレーニングC、木曜日=トレーニングDを行うといった形をとります。

トレーニングDを常に行っているため、高重量を扱える力を引き出した状態でトレーニングが行えるというメリットがありますが、トレーニングCを行う頻度が減るため、パターン1と比べて地力を伸ばせる機会が減る可能性があるというデメリットがあります。

■トレーニングCを行う際の注意点
パターン2でのトレーニングCも、パターン1と同様の形でトレーニングを行います。ただし、パターン2では通常は目標回数で6回を選択せず、できる限り8回以上を選択してトレーニングを行います。

これはトレーニングCで目標回数が6回という筋力アップ寄りの効果が得られるトレーニングを行ってしまうと、トレーニングCとトレーニングDの両方が筋力アップのトレーニングになっていまい、筋量を上げるトレーニングができなくなってしまうからです。

筋力・筋量の両方を上げる=地力を上げるトレーニング、を中心に行うことが強くなるための一番の早道という児玉選手の考えからも、パターン2でのトレーニングCは、8回以上狙いでセットを組むようにします。

■5回×5セット法
それではパターン2でのトレーニングD、筋力アップ・神経系強化のトレーニング方法として、『5回×5セット法』を紹介したいと思います。

5回×5セット法は名前から想像のつくように、目標回数=5回、セット数=5セット、セットクリア条件=5セット5回挙げるというトレーニング方法で、筋力アップ、神経系強化の効果があるだけでなく、高重量低回数のトレーニングを多セット行うことにより、フォームを固めるという効果もあります。

回数は違いますが、セットの組み方としては基本的なトレーニングと同じで、ウォーミングアップ終了後に5回狙いで5セット行います。

インターバルは回数が少ないことから考えて5分程度、5回以上挙がりそうな場合でも5回で抑え、5セットすべてで5回挙げることを目標にトレーニングを行います。

ただし、やってみればわかると思いますが、5セットという多めのセットすべてで、規定回数を挙げるということは精神的に非常に厳しく、ただ単にすべてのセットで5回挙げるということだけを考えてトレーニングを行っていては、モチベーションが保てなくなってきます。

そこで5回×5セット法のような多めのセットを行うトレーニングの場合は、すべてのセットのトータル回数を段階として考え、その段階を少しずつ上げていくつもりでトレーニングを行います。

5回×5セット法の場合は5x5=25で25段階。例えば、4回→4回→3回→3回→3回の場合であれば、4+4+3+3+3=17で17段階目、17/25ということになります。

これを、17/25→19/25→21/25→23/25→25/25(セットクリア)といった形で、少しずつ段階を上げていきます。セットクリアした場合、通常は2.5kg重量を上げて同様にセットを組むわけですが、多くの場合は15〜20/25辺りからはじまるようです。

このように段階に分けてトレーニングを行い、高いモチベーションを保っていたとしても、5回という比較的低回数の場合、ちょっとした体調の変化で普段通り挙がらなくなったりします。ウォーミングアップの時点でどう考えてもいつも通り挙がらない感触がある。前回は1セット目に5回挙がったのに今日は4回しか挙がらない。このようなこともよくあると思います。

そういった場合は、最初から5回狙いでトレーニングを行わず、4回×5セットや3回×5セットという形にトレーニングを変更し、それを完遂するようにする。とうすることで調子の悪い自にもモチベーションを保ってトレーニングを行えるようになります。

なお、ことではパターン2でのトレーニングDとして、5回×5セット法を紹介していますが、パターン1のトレーニングDとして実施することも当然可能です。

■パターン2のトレーニングを行う際の注意点
パターン2のトレーニングを行う際に必ず注意する必要のある点が1つあります。それは「トレーニングCとトレーニングDのどちらをメインに行うか?」ということを決めておく必要があるということです。

「両方をメインとして行えばいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、実際にパターン2のトレーニング、を行ってみると、どちらか一方に比重を置いてしかトレーニングを行えないということがわかるはずです。このことは、2つの異なるトレーニングを同時期にこなそうとする精神的な厳しさ、その人の高回数のセットや低回数のセットでの得手不手など、様々な要因によって引き起とされています。

どちらをメインとするかということは、通常は地力を上げるトレーニングCをメインとしたいところですが、人によってトレーニングDの方が行いやすいということもありますので、自身の行いやすい、自身が得意と感じるトレーニングをメインとして行うこととなります。

トレーニングCとトレーニングDの両方で、挑戦する気持ちでトレーニングを行うことは変わりません。ただし、自身の中ではどちらか一方のトレーニングをメインとし、そのトレーニングでセットクリアを目指し、セットクリアすることでもう一方のトレーニングでも自然にセットクリアする。こういった流れで、トレーニングを行うことになります。

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