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VLCDベリーローカロリーダイエットの全て①

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掲載日:2024.05.27
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)
今回のテーマは「VLCDベリーローカロリーダイエットの全て①」です。

① VLCD=ベリーローカロリーダイエットとは

VLCD=ベリーローカロリーダイエットとは、1975年に体重100kg以上の科学者が集まり、自ら実践し考案したダイエット法です。なんと結果は1週間でマイナス6.8kg減量したそうです。その驚愕の内容は・・・

・1日にタンパク質を50〜60g
・塩を6g

以上です。1日の摂取カロリーは、400〜450kcalとかなり低く、耳を疑うようなPFCバランスです。塩の6g摂取は急激なダイエットで、ミネラルが抜けてしまうのを防ぐ為です。これを1週間続けて健康上の問題は無く、体重が平均4〜6.8%減ったそうです。
ちなみに日本の夏場にVLCDをやると発汗で電解質が抜けて心身が危ないので、1日600kcalくらいまで摂取カロリーを増やしてもいいです。

② VLCD=ベリーローカロリーダイエットとは

そこから14年後の1989年、追加試験でVLCDを発展させた実験がありました。その内容は、続けられる期間をVLCDで過ごし、その後我慢の限界が来たら男性は1100kcal、女性は1000kcalだけカロリーを上げてよいというダイエット方法です。

摂取カロリーの平均は最初の2ヵ月が370kcal、残りの4ヵ月を1400~1500kcalほどで過ごし、半年間で平均17.8kgの減量に成功しました。特に苦しくなく成果を成果を上げられたそうです。
ただ半年間という長い期間のダイエットは辛いので、VLCD1週間、7週間低カロリーの1500kcalの時期を設ける、2ヶ月間でダイエットを1回辞める方が良いと思います。

③VLCDのメリット

→ 超短期間で体重を減らすことができる
この1点だけです。

効果的と言われるダイエット法に、脂質制限法、ケトジェニックダイエット法、ゾーンダイエット法などがあります。
しかし「VLCD」は、これらの方法よりも短期間で痩せることが可能です。

④VLCDのデメリット

→ 体への負担が大きい、摂取カロリー不足により常に交感神経が優位で睡眠の質が低下、食物繊維不足による腸内環境が悪化、基礎代謝の低下、基礎疾患がある人は危険、生理が止まる可能性 etc

VLCDはデメリットが多すぎるため、ほとんどのアスリートやトレーニーは長期間やらないほうがいいダイエット法です。
こんなコラムを書きながら言うのもなんですが、私もクライアントさんには勧めていません。

⑤VLCDと筋力トレーニング

またトレーニングに関して、VLCDの時はカロリーを減らし過ぎているのであまり激しい運動は控えてください。つまりはトレーニングはお休みにしてください。
ちなみにその間の休んでいる1週間で筋肉が減るという事はほとんどありません。むしろ無理して運動を入れると筋肉がカタボリックな状態になり筋肉量が減る可能性がありますので、大柄でマッチョな人ほどEAAなどのアミノ酸で筋肉の分解を防いでください。

まとめ

VLCD、ベリーローカロリーダイエットは成功したエビデンスこそありますが、ハイリスクなダイエット法ですので無理はしないようにしてください。

次回はこの内容を近代的に安全に行う新VLCD、新ベリーローカロリーダイエットを紹介していきます。
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝