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【警告】夏の疲れは秋に出る 疲れにくいカラダ作りの秘訣/分子栄養医学管理士 星真理 (1/2)

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掲載日:2015.06.05


夏バテという言葉は夏の真っ盛りに使われる言葉ですけれど、統計的に見ますと、夏の疲れが出るのは、梅雨明け時期の7月上旬から急に増え出し、お盆休み明けの8月下旬がダントツに多くなっています。そして、8月下旬の次に多いのが、まだ暑さが残る9月上旬です。また、9月中旬以降も、7月上旬より多くの人が疲れを訴えています。
○脱水: 発汗でビタミン、ミネラルが不足する
○食欲不振: 暑さで胃の消化機能が低下する
○慢性的な疲労感: エネルギーの低下からくる自律神経の乱れ
○皮膚や粘膜のトラブル: 紫外線、エアコン
だるい、冷える、めまいや立ちくらみがする、あせもや湿疹が出る、肌荒れや髪がパサつく、食欲不振、やつれる、下痢や便秘を繰り返すなど、疲れの症状は全身のさまざまなところに出てきます。暑さによって胃の消化機能が低下すると食欲不振にもつながります。

また、発汗でビタミンやミネラルが失われ、同時に脱水もおこります。暑い夜によく眠れないなども手伝い、栄養の需要と供給のバランスが保てなくなると、先ほどのような症状が現れます。できれば症状がひどくなる、いや、現れる前に対処したいものですね。

そこで今回は、夏バテに代表される症状、「疲れ」を考えてみたいと思います。

ミネラルが不足すると


特にミネラルの不足による症状は大きな病気にもつながります。日本人は統計上「どの年代の人でも必要量のカルシウムを摂取できていない」と厚生労働省は発表しています。

夏は汗でミネラルが更に不足しやすくなりますので、トータル的なミネラルの補給が必要でしょう。そうしたミネラルが不足して起こる症状は、時間が経った夏の終わりや秋に起こってきます。

<ミネラル不足で起こりやすい症状>
○神経系 : だるい、しびれ、めまいなど
○骨格筋系: 筋肉のけいれん、こむら返り、筋力低下など
○循環器系: 高血圧、虚血性疾患、不整脈など
○消化器系: 食欲不振、腹痛、下痢、便秘など

ストレスを溜めない ⇒ 善玉菌を増やそう




ストレスは腸内細菌の善玉菌を減らしてしまいます。人間はストレスを感じると、消化管で腸内悪玉菌の増殖を活発にするカテコールアミンという物質を放出します。

腸内の菌は「善玉菌」、「悪玉菌」と「日和見菌」の3つがあります。
通常は日和見菌が善玉菌の味方をしていて、善玉菌優勢のバランスを保っています。
ところが、ストレスなどで悪玉菌が増え出すと、日和見菌は急に悪玉菌の味方を始めます。腸内細菌バランスは、ある時をきっかけに一気に悪い方向に傾いてしまうのです。急に悪くなった腸内環境はそのため、食中毒などに感染しやすくなってしまいます。ですから、日頃からストレスを溜めない、善玉菌を増やすような生活習慣を心がけたいものです。

ストレスというと精神的なものを想像されると思いますが、暑さや寒さ、季節の変化、喫煙、睡眠不足なども肉体的ストレスです。このような変化に対応するためにも、体はエネルギーを使います。また、呼吸をする事で酸素を利用しますが、酸素が体内で利用されるだけで、「活性酸素」という、体に悪い物質が発生してしまいます。活性酸素は体にダメージを与えるものですが、呼吸をしなければ人間は生きていけません。

つまり、人間は体に悪いものも同時に作り出しながら生きているので、それを消去するための物質も作り出さならないのです。ですから、そのために必要な材料である栄養素をたくさん摂取しなければなりません。


紫外線によるダメージ


皮膚や目の組織では、太陽の紫外線を直接浴びると、組織や細胞の中で活性酸素が作られてしまいます。つまり皮膚や目は、ほかの組織より酸化されやすいと言えるでしょう。

紫外線は他にも、肌の乾燥、シミ、シワやソバカス、肌荒れの原因にもなります。紫外線は1年間の中で12月が最も少なく、右肩上がりに上昇し、5月から8月はほぼ同じくらいのピークを示します。9月から徐々に減り始め、12月に至るという周期です。ですから、5月からの長い「強い紫外線の季節」がやっと一区切りした今頃にダメージがやってくるのです。

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  • 星 真理(ほし まり)
    栄養整合栄養医学協会認定 分子栄養医学管理士
    栄養学の専門家として老若男女を問わず、一般人からトップアスリートにいたるまで、あらゆるニーズにも対応した栄養指導/栄養セミナーを個人、競技チーム、学校、企業を対象に行っている。
    著書「アスリートのための 分子栄養学」(体育とスポーツ出版社)

    分子栄養学(正式名称:分子整合栄養医学)
    Ortho-Molecular Nutrition and Medicine
    ノーベル賞を2つ受賞した米国人生化学者ライナス・ポーリング博士(1901〜1994年)が、栄養学と医学とを融合させて研究し、分子整合栄養医学として確立した栄養医学。

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